いつも同じ状況で同じように落ち込んだり、イライラしたり、しんどくなったりする。
本を読んだり、ネットで調べたり、人に聞いてみたりして
物事の捉え方や考え方を変えればいいという情報を得た。
なるほど!確かにそうだ。物事の捉え方や考え方を変えればいい、変えよう。
頭ではそう思っても、なかなか変えられない。
なぜ?
その要因のひとつに「変えたいけれど、変えたくない」というのがあります。
今の自分の捉え方や考え方が悩みごとや辛さの要因になっている場合、それを変えれば軽くなれるはずで
変えたい!と思っているわけです。
けれども
心の奥で「変えたくない」気持ちがあって、この気持ちが強いとなかなか変えられないのです。
では、「変えたくない」のはなぜか?
今の捉え方や考え方は、一朝一夕にできたわけではなく
自分が生きてきた歴史の中で、自分が生き抜くため、自分を守るために育んできたものです。
その捉え方や考え方で自分を守っていたんです。
ところが、それが今の自分には合わなくなってしまった。今の自分にとっては、かえって苦しいものになってしまった。
だから、変えようってことなのだけれど
今まで自分を守ってくれていたものを、突然悪いもの扱いして捨て去るなんて、当然抵抗があります。
だから「変えたくない」
やわらかくて暖かい、これを着ていれば安心という服をずっと着ていたと想像してください。
自分が成長して窮屈になり、苦しくなりました。
だから、これは脱いで、今の身に合う服を着ましょうね
って言われても
「いやいや、、これは愛着があるのよ。脱いで捨てちゃうなんてできない!!」
そりゃそうですよね。
捨てなくていいのです。
脱いだものは綺麗にお洗濯して、たたんでとっておきましょう。「これまでありがとう」の気持ちをこめて。
時々、取り出して手に取ってみるのも悪くないですね。
新しい服は、最初は身に合わなくて馴染まないかもしれないけれど
大切に着ていれば、そのうちしっくりくるはず。
ゆっくり使い込んでいきましょう。
今の捉え方や考え方がダメだから変えるのではないのです。
ただ、自分を守るという役目を終えたから変えるのです。
これまでの自分を慈しみ、今の自分を軽くする。
そういう視点が大切なのだと思うのです。
それでもやっぱり変えられない?
それならば、今はまだ必要なんですよ。
苦しかったり辛かったりするとしても
その捉え方や考え方が、今の自分の役に立っている部分もあるんです。
だから、もうちょっと続けてみましょうか。
そうそう、
苦しいのも辛いのも大変ですから、ちゃんと労ってケアすることをお忘れなく。