「人の言動に傷つきやすいんです」というのは、非常に多い相談です。
そして
そういう方の多くは
「あなたは繊細すぎる」と、人から言われた経験があります。
心が繊細というのは、個人の特性ですね。
匂いや音に敏感なのと同じです。
人の心の動きに敏感だということです。
え?そうなの?
だったら、繊細なわたしは、ずっと傷ついていくしかないの?
いえいえ、決してそうではありません。
なぜなら
他者の言動に傷つきやすいことと心が繊細であることは、あまり関係がないからです。
その証拠に
自分は傷つきやすいけれど、他者が傷ついていることに無頓着な人もいます。
そういう人は心が繊細とは言えません。
その逆で
人の心の動きに敏感で心遣いができる、繊細な人でも他者の言動に傷つきにくい人もいます。
(余談ですが、そういう人がセラピストに向いていると思います)
では、他者の言動に傷つきやすいのはなぜなのか。
それは、以前ついた傷が治癒していないからです。
傷口がぱっくり開いていて、血を流している状態だと
少し何かが触れると、飛び上がるほど痛かったりしますし
触れ方によっては、傷は余計に酷くなることもあります。
触れた手にたまたま塩がついていたりすると、痛さは半端ないですね。
傷を治すための消毒液だって、とてもじゃないけど、無理!という場合もあります。
他者がなにげなく言った言葉、とった行動に、とても傷ついてしまったり
相手がよかれと思って発した言葉でも痛いことがあるのは、そういうわけなんです。
ですから
自分の、傷つきやすい部分を見つけたら、手当てをすることが大切です。
「あの人は、わたしを傷つけようとしたんじゃないんだから・・」
と、自分を納得させようとするのは
相手を攻撃せずにすむという意味では有効ですが、自分の傷の手当てにはなりません。
そんなときは「あの人は・・」と、他者の面倒をみている場合ではないのです。
必要なのは自分の傷を癒すこと。
傷口が渇いて、かさぶたができて、かさぶたの下に薄皮が張って、かさぶたが自然に剥がれて、薄いピンクの皮膚が、周りの皮膚と同じくらいになれば、もう、大丈夫。
ちょっと触れられたくらいで、痛かったりはしません。
他者の言動に傷つきやすいのは辛いことです。
そこから抜け出すには、自分の傷を癒していくといいんです。
そして
しっかり傷の手当てをするために、安心できる人と交流することが大事だったりもするのです。