苦しい思いをしたりしながら、山を登る。
登りつめたところに、素晴らしい景色が広がって
「ああ、わたしは幸せだな」
と、思う。
そんなとき
まだ、登っていない人に
「こっち、こっち。この道を登って来れば、ここに来られるわよ。」
という。
この素晴らしい景色を観てもらいたいから。
どんなに呼んでも
その相手が、その道を登ろうとしないとき
「この道を登ってくれば、ここに辿り着くのに。。」
って
残念に思う。
イライラしたり
腹がたったり
するかもしれない。
けどね
もしかしたら
その人には
別の道のほうがいいかもしれないのです。
自分が来た道には
澄んだ泉が湧いていて
喉を潤すことができたし
この道がいいのよと思っていても
その人には
別の道に生えている
白い花の香りが必要かもしれない。
それどころか
もしかしたら
辿りつく頂も
少し右奥にみえる 、こことは違う頂かもしれない。
そこに広がる景色こそが
その人にとって素晴らしいのかもしれない。
それと
もうひとつ
その人は
確かに頂の景色をまだ観ていないのだろうけれど
自分の知らない湖の
素晴らしい景観を知っているかもしれないのです。
道はひとつではないのです。
そして
辿りつく先は
自分が知っている場所とは限りません。
この視点を持ち続けることが
敬意を払うということなのだと
わたしは思います。
人にはそれぞれ、歴史がある。
ひとりひとり、その歴史ごと尊いと思います。