今の辛さが
過去の傷によるものだとわかったからといって
その辛さがすぐに解決するわけではありません。
「ずっと昔のことなんだから」
とか
「もう、今はそんなことはないんだから」
とか
「いい加減、前を向こうよ」
とか言われても
辛いものは辛いのです。
辛さは
今のリアルな辛さなんです。
まだ「あのときは辛かった」というふうにはなっていない。
転んで大怪我をしたのは
地面から突き出ていた岩だとわかっても
傷が治るわけではありません。
その岩は、今はなくなっているとしても
傷は治らないのです。
今リアルに血を流しているのだから。
だから
岩にかまっている場合ではなくて
傷の具合を調べて
適切な治療をする必要があるのです。
トラウマ解放は
原因がわかれば解決するという誤解があって
「ずっと昔のことなんだから」
こだわってないで前に進まなくちゃと
自分に鞭打つ人がいたりします。
血を流している傷を抱えながら
元気に歩いたり走ったりしようとしているんですね。
それでは、余計に辛くなります。
まずは、傷を治しましょうね。
荒療治はお薦めしません。
ずっと治らなかったくらい、酷い傷なんですからね。
時には
消毒してしみることもあります。
時には
痛み止めが必要なこともあります。
そんなふうに
丁寧に、傷の具合を確かめながら
ゆっくり治していくといいんですよ。
わたしたちカウンセラーは
そのお手伝いをしています。