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  1. 『できることせな、しゃあないからなぁ』
 

『できることせな、しゃあないからなぁ』

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 できることせな、しゃあないからなぁ

  (母の言葉)

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両親の年代(80歳前後)の例に漏れず

わたしの両親も
なかなか、波乱に満ちた歴史を持っています。


将来の不安を感じる余裕すらなくて
「今日食べるものがあるのか・・」
という状態だったことも
あたりまえに、ありました。


わたしが幼稚園のときの出来事を
鮮明に覚えています。

母は市場で魚を選んで
財布を開けて見せ
「お金ないねん。ごめん!」
と、言いました。

魚屋の大将が
「おーい。金ないねんて!」
と大声で言って
母の財布を取り上げました。

市場の他のお店の人たちが
小銭を掴んでやってきて
母の財布に入れました。

大将が
母に財布を返しました。

母はわたしの手を引いて
走って、市場を後にしました。


当時のわたしは
何が起こったのか、わからなかったのだけれど

大声のおじさんや
その声で集まってきた市場の人たちが
あったかい感じがして
母の涙に
気づかないフリをしました。


そのときの市場の方々には
深く感謝しています。


そして、それとは別に

母は肝の据わった人だったんだなぁ
と思います。
当時29歳でした。


そんな母は
窮地にたったとき、いつも言いました。

「人間、でけへんことはでけへんねん。
 できることせな、しゃあないからなぁ。」

この言葉に
わたしは何度も救われました。


できないことを嘆いても、しかたない。
できない自分を責めても、苦しいだけ。

できることをするしかない。


だから

不安だったり
怖かったりするとき
いつも、自分に問うのは

「いま わたしに なにが できる?」


母が脳障害になってから
8年がたとうとしています。

母から、この言葉を聞くことは
母が倒れた日を境になくなりましたが


「できることせな、しゃあないからなぁ。」

今も
わたしの中に生きている言葉です。